私達が住む世界は、山や川などの地形や、道路や建物などの人工物、さらには気温や降水量などの自然現象、事件や事故などのイベントなど様々な要素や現象から成り立っています。
では、私達が住む世界を、コンピューターで表現するには、どのようにすれば良いのでしょうか?
先ほど説明したように、私達の世界は多種多様な要素や現象から成り立っているため、それらを同時に取り扱うには複雑すぎます。したがって、「モデリング化」を行います。「モデリング化」とは、簡単に言うと複雑な現象を単純化することです。コンピューターの中で、私達の住む世界を、空間データモデルとして、単純化して、コンピューター上で再現するのです。
空間データモデルは、大きく区分すると、「ベクトル型」、「ラスタ型」に分けられます。さらに、「ベクトル型」の特殊な形態として「TIN型」の空間データモデルが存在します。したがって、空間データモデルは、「ベクトル型」、「ラスタ型」、「TIN型」の三種類になります。
ベクトル型
ベクトル型の空間モデルでは、主に、地物(人工物)や境界線、行政界などを、ポイント(点)、ライン(線)、ポリゴン(面)によって表現します。ポイント、ライン、ポリゴンで地理空間を表現する場合、建物や敷地のように境界が明確に決まっている人工物を表現する場合に利用されることが多いデータモデルとなります。
ラスタ型
ラスタ型の空間モデルは、標高をはじめとする地形の要素や、気温、降水量、濃度など連続的に値が変化する自然現象を表現する場合に利用されます。一般的には、ラスタ型の空間モデルでは、縦横の比率が同じ正方形の集まりで地理空間を表現しています。この1つ1つの正方形を「セル」と呼びます。
TIN型
TIN型の空間データモデルは地形を表現するときに利用されます。TINとは、Triangulated Irregular Networkの略語を示しており、不規則な三角形の集まりで地形を表現します。