ベクトルデータ

ベクトル型の空間モデルでは、主に、地物(人工物)や境界線、行政界などを、ポイント(点)、ライン(線)、ポリゴン(面)によって表現します。ポイント、ライン、ポリゴンで地理空間を表現する場合、建物や敷地のように境界が明確に決まっている人工物を表現する場合に利用されることが多いデータモデルとなります。

ポイント(点)

信号機や電柱などある地点に関して点で示されるタイプのベクトルをポイント(点)といいます。また目標物となる位置情報、例えば公共施設の場所もポイントで示されることがあります。あるいは、ある時点での事故や犯罪の発生地点のようにある地点におけるイベントもポイントとして示されることがあります。以下の図は杉本キャンパス周辺の公共施設の位置を示したポイントデータとなります。

Vetor_Point

ライン(線)

道路や河川にように線分で示されるタイプのベクトルデータをラインといいます。また、ポリライン(polyline)と呼ばれることもあります。最短ルートを求める分析など線分上での解析に適したデータとなります。以下の図は杉本キャンパス周辺の道路(道路中心線)を示したラインデータとなります。

Vetor_Line

ポリゴン(面)

建物や行政界など面で示されるタイプのベクトルデータをポリゴンといいます。特に行政界を示すポリゴンデータは統計地図によく利用されます。以下の図は杉本キャンパス周辺の建物を示したラインデータとなります。

Vetor_Polygon

 

空間モデルでは、表現する対象が同じでも異なるベクトルのタイプを利用することがあります。例えば、河川をイメージしてみましょう。皆さんが普段見る河川、例えば淀川は面的な広がりを持っているためポリゴンで表現できます。しかし、日本全体を表示する地図の縮尺では河川はラインとして表示されることが多いです。また、道路では、都市計画図のような地図では、ポリゴンとして表現されることがあります。しかし、道路データを用いて最短経路を求めたい場合はラインである必要があります。

このように空間モデルでは、地図で表現される縮尺や目的に応じて、ポイント、ライン、あるいはポリゴンとして作成されます。