空間検索

ベクトルデータの位置的な関係から検索を行う方法を空間検索といいます。属性検索はExcelやAccessなどの表(テーブル)を扱うアプリケーションでも可能ですが、空間検索はGISアプリケーションならではの機能となります。

例えば、不発弾が住宅街で見つかったとします。不発弾を処理するためには例えば半径300m以内の住民に避難してもらう必要があるかもしれません。不発弾の発見地点から半径300mの円を描き、その中に含まれる建物を探す必要があります。紙地図の場合は、コンパスを用いて発見地点を中心として半径300mの円を描き、さらに円の中に含まれる建物を確認するという大変な作業が伴います。しかし、GISのアプリケーションを利用すると、このような作業を効率的に行えます。

~一定距離内にある

ポイント、ライン、ポリゴンから一定距離内に含まれるものを検索します。例えば、ポイントで示される駅から半径500m以内に含まれるコンビニを検索することができます。あるいはラインで示される国道から50m以内に含まれる建物を検索することもできます。また、ポリゴンで示される浸水地域から100m以内に含まれる建物を検索することもできます。例えば、下図では、JR杉本町から半径500m以内にあるコンビニを検索しています。青色でハイライトされている4件のコンビニがJR杉本町から半径500m以内にあることが分かります。

Spatial_Query_within_500m

~と隣接する

例えば、大阪市に隣接する市区町村を検索することが出来ます。下図では黄色でハイライトされた市区町村が大阪市と隣接する市区町村です。

Spatial_Query_next_to

~を含む/含まれる

ポリゴンに含まれる他のベクトルデータを検索します。この検索では、さらに「完全に含む」、「一部を含む」などの位置的な関係も定義することができます。下図の例では、住吉区(青くハイライトされたポリゴン)の中に含まれる小学校(ポイント)を検索しています。

Spatial_Query_within

以上のように空間検索をいくつか紹介しましたが、近年は三次元のベクトルデータに対しても、GISで空間検索することが可能となっています。