属性検索

行政境界を示すベクトルデータを例に説明してみましょう。ベクトルデータは図形と属性の要素から成り立ちます。図形に対応する情報が格納されたテーブルを属性テーブルといいます。例えば、下図の市区町村を示すデータの場合、市区町村の名前などの文字情報、人口や世帯数などの数値情報が格納されています。

例えば、人口30万人以上の市区町村を探したいとします。Excel等のアプリケーションでも探すことは可能ですが、GISのアプリケーションでも簡単な構文を入力することで可能となります。例えば、ArcMapでシェープファイルのデータフォーマットの場合は、下図のように設定すると該当する市区町村が選択されます。

Attribute_Query

「japan_ver80」という市区町村境界を示すベクトルデータに対して検索を行います。「”P_NUM” >= 300000」は、人口が保存されている「P_NUM]という列の値が300,000以上の市区町村を選択するための構文を示しています。この属性値を用いた検索の結果、下図のように該当する市区町村の図形、および属性が選択されていることが分かります。少し専門的ですが、SQL文というデータベースで利用される文法に従って構文を入力すると属性値を利用した検索が可能となります。このように等号式や不等号式の他にも、ANDやORなどの論理記号を用いて、より複雑な構文を作成して該当する要素を抽出できます。

Attribute_Query_result